お盆供養は中国伝来の行事です

お盆供養

■生者と死者が共存する空間で語らい、過ごす

お盆は中国伝来の行事で、日本に伝わり「在地信仰」「習俗」と合わさり展開されました。正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)と呼びます。遠いインドの地に伝わる目連尊者(もくれんそんじゃ)と亡き母親の悲しい物語から生まれました。


目連尊者は大変優れた僧で神通力(じんつうりき)を持っていました。ある日、その神通力で死後の世界を覗いてみると、亡き母が餓鬼道に堕ちて哀れな姿になっていました。すぐにご飯と鉢を持って供養を試みましたが、目連尊者の力ではどうすることもできません。そこで師である釈尊に助けを求めたところ、「七月十五日は雨期にあたって僧が一同に会す日である。この日にたくさんのご馳走をお供えし、僧達が一同に唱えるお経によって母親は救われるであろう」と説きました。目連尊者はこの教えを実行し、これにより母親は救われ、父母に対する報恩の礼儀が施餓鬼の行事と合わさり、先祖の魂祭りとなって展開されたのが始まりです。


現在のお盆は地方色豊かな行事です。時期的にも七月十五日の「新暦の盆」八月十五日の「月遅れ盆」、旧暦の「旧盆」と異なる時期で三つの盆が営まれています。全国的には「旧盆」は東北地方、関東北部、中国、四国、九州地方に顕著に見られ、「新暦の盆」は東京・横浜などの大都市圏に多く、「月遅れ盆」は北海道、新潟、長野そして関西地方に顕著で全国的に最も多く広範囲で営まれています。


お盆は普段の日常とは打って変わり、生者の世界に一時的に死者の霊を迎え、生者と死者が共存する空間を構成する時なのです。そこで生者と死者となった先祖の霊が交歓する様が様々な風習となって織り成されているといえます。もともと日本人は、この世とあの世とを連続的に同じ生活空間の中にとらえてきた民族であり、先祖の霊に対する複雑な心情が反映されて、今日のように先祖や故人を敬い、供養する習慣になりました。

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