四十九日法要までに塗り位牌に切り替えます

位牌

■亡き人の魂を宿らせた木製の牌

仏壇のある家であれば、位牌は必ずと言って良いほどあるものです。仏壇を購入するそもそもの目的は、この位牌を安置するためにあるのです。死者の霊を祀るため、戒名や法名を書いて家庭の仏壇や寺院の位牌壇に安置する木製の牌を位牌と言います。


位牌の歴史は古く、儒教に見ることができます。孔子が説いたとされる「礼記(らいき)」「儀礼(ぎらい)」によると、死後は屋敷内に遺体を棺に収め安置しておき、士は三ヵ月後、諸侯は五ヵ月後、天子は七ヵ月後に墓地に葬るとあります。その後、死者の霊を慰める虞祭(ぐさい)が催されます。このときに神霊を憑かせる依代(よりしろ)として木主を作ったことが、位牌の起源と考えられています。位牌が日本に普及し始めたのは十四世紀ごろと考えられています。「太平記」の記述の中に、位牌が卓上に祀られている記述を見ることができ、十四世紀~十六世紀にかけて広く庶民の間に普及していったようです。


位牌の種類については大別して、「野位牌」「内位牌」「本位牌(塗位牌)」「寺位牌」があります。野位牌は、臨終後すぐに製作され、枕飾りおよび葬儀の際に用いられます。土葬の場合は、四十九日の法要あるいは朽ち果てるまで埋葬した上に据え置かれます。火葬の場合は、葬儀後家に持ち帰り、中陰壇(四十九日の法要および納骨式まで遺骨を祀る臨時の屋内祭壇)に祀られます。寺院によっては四十九日の忌明けまでの位牌を本堂に安置し、のちに墓地に持っていくところもあります。内位牌は、葬儀の祭壇の中心に安置され、その後四十九日忌の忌明けまで小さな祭壇上に祀られます。この間に黒塗、あるいは金箔塗の本位牌を作ります。


本位牌は四十九日の法要までに、野位牌から作り替えられる位牌であり、漆塗りに金箔・沈金・蒔絵が施された立派なものです。末永く仏壇に安置して祀られます。また本位牌には「札位牌(ふだいはい)」と「繰り出し位牌」があります。札位牌は故人一人、独立につくられた位牌です。形は、蓮台をつけただけのもの、屋根や扉をつけたものなど様々な形があります。繰り出し位牌は屋根と扉が付いた枠があり、その中に複数の塗板や白木の札を納めたものです。月忌・年回ごとに、それぞれに位牌を繰り出すことができることから「繰り出し位牌」と呼ばれています。


また位牌には「逆修牌(ぎゃくしゅうはい)」と「順修牌(じゅんしゅうはい)という分け方もあります。「順修牌」は亡くなった人のために作られた位牌で、通常、位牌というと「順修牌」を意味します。これに対し「逆修牌」は生きているものが、前もって戒名をつけてもらい作った位牌の事です。

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