寺院に参拝されるとお気づきになるかと思いますが、ご本尊は色々な構造、装飾で飾られた美しい壇の上に安置されています。これは仏教の求める理想世界を象徴しているためであり、この寺院の本堂を小型化して自宅に安置するようにしたものが仏壇になります。
仏壇の歴史は古く、「日本書記」に記されている天武天皇の時代(六八六年)、三月二十七日の詔(みことのり)で“家ごとに仏舎をつくり仏像および経を置き礼拝供養せよ”と言われたことに始まるといわれています。この仏舎とよばれるものが、今日の仏壇の起こりというわけです。
仏壇には大きく分けて「金仏壇」と「唐木仏壇」の二種類があります。この二種類を基本とし、大型・中型・小型とサイズの分類があり、それぞれに台つき、上置きの分類があります。
- 金仏壇
関西を中心に近畿、東海、北陸に多く見られます。正式名称は「漆塗り金仏壇」といいます。 - 唐木仏壇
関東地方を中心に多くみられます。桑や花梨、胡桃(くるみ)、桜、黒柿、白柿などを主材料として作られます。金箔などの華やかな装飾はなく、落ち着いた渋みがあります。
安置する場所については、北に仏壇の背を向け南向きに安置する「南面北座」と、仏壇の前に正座して合掌した際に、その延長戦が所属する宗派の総本山と結ばれる位置に安置する「本山中心」が有名なところです。実用面を考えると、「南面北座」の方が南側からの風がよく入り、湿気を防ぐことができますので、仏壇の保存には適しているといえるでしょう。 「西方浄土」という考え方から仏壇を東向きに安置する方法もあります。仏壇を拝むたびに、仏教の理想の世界である西方浄土礼拝する事になるからです。
安置する場所については上記のように諸説ありますが、それぞれを検証してみると、同じ仏教という範囲で様々な方角を薦めているわけですから、根本的に安置する場所について、特にこだわる必要はないということになります。また住宅の構造上の事情もありますから、考え方としては、
“仏壇は神棚と向かい合わないように配置する”
“仏壇はご本尊の姿を拝むのに適した高さに配置する”
“仏壇は落ち着いた場所に配置する”
という三点を考慮して配置するとよいでしょう。
